この事態を明確に予想しながらもシャープ株を「カラ売り」できなかった自分が情けない。
今からでも遅くないような気がするが・・・。
<シャープ>赤字転落へ 主因は液晶事業の採算悪化
毎日新聞 1月19日(月)20時18分配信
シャープは2015年3月期の連結決算で、最終(当期)赤字に転落する見通しとなった。主力製品の中小型液晶パネルで激しい価格競争に見舞われ、採算が悪化したことが主因だ。13年3月期までの2年間で9000億円超の最終赤字を計上、14年3月期に黒字転換し、危機から脱したようにみえたが、再び苦境に陥っている。
「中小型液晶パネルの価格下落に見舞われたのが最大の原因だ。環境が激変した以上、中期経営計画も変えざるを得ない」。シャープ幹部は19日、毎日新聞の取材に苦しい胸の内を明かした。
本業のもうけを示す営業利益は500億円前後と、従来予想の半分程度に減る可能性がある。最終損益も従来予想の300億円の黒字から大きく悪化する。16年3月期に、最終黒字800億円を目指す中期経営計画を策定しているが、達成は困難と判断。このため16年3月期〜18年3月期の3年間の新たな中期経営計画を5月にもまとめる。
液晶事業の採算悪化は著しい。シャープはスマホやタブレット端末向けの中小型液晶で、中国の新興スマホメーカー向けの営業で先行し、14年9月中間決算時点では「中小型の営業利益率は悪くない」(高橋興三社長)としていた。
だが、その後は競合メーカーが、中国の新興メーカー向けのパネル販売に注力し、価格下落に見舞われた。世界のスマホ市場で、1万〜2万円前後の手ごろな価格の機種のシェアが高まり、利益率が高い高級機種の需要が鈍っていることも影響した。海外で生産して輸入する冷蔵庫などの白物家電や太陽電池も、急激な円安の影響で採算が悪化している。
シャープは19日、15年3月期の業績が従来予想を下回りそうだと発表。東京株式市場でシャープ株は売り注文が優勢となり、終値は先週末比22円(8.73%)安の230円と12年12月以来約2年1カ月ぶりの安値を付けた。
液晶事業の好調を背景に、不採算事業からの撤退など抜本的な構造改革は最小限に抑えてきたシャープ。だが、屋台骨の液晶事業が揺らぎ始めたことで、新計画ではより踏み込んだ構造改革を迫られそうだ。【宇都宮裕一】