「マンション総合保険」は、分譲マンションの管理組合が加入する保険で、共用部分に生じた損害を賠償する保険である。
全体の事故率が高く、大幅値上げが検討されているという報道があったが、管理会社がその使い方を理解していない場合がある。
僕の住んでいるマンション(TheKitahama)では、専有部分の漏水事故や加害者が特定されているような共用部分の損害にまで「当たり前のように」マンション保険を使い、数百万円単位の保険金を請求していた。
不法行為があれば、まずは民法第709条に基づき加害者に損害賠償請求すべきであり、それがどうしても不可能な場合や不可抗力による損害のために保険に加入しているはずである。
しかし、実際には加害者に責任を追及することなく管理組合が管理会社の指示により安易に保険請求していたのである。
僕が役員になった際、多額の支出と同額の収入が「保険金」として計上されていることを発見し、管理会社(長谷工コミュニティ)に事情を聞いたところ上記のような状況が明らかになった。
管理会社が安易に保険を使ったのは、加害者に対して損害賠償請求するよりも保険を使う方が「楽」に解決できるのが理由であり、とんでもない怠慢である。
この行為によるデメリットは二つ。
1.加害者に責任追及しないため抑止力が働かず、同様の事案が起きやすくなる。
2.更新時の保険料が割増しになったり、本来受けられる割引きが適用されなくなる。
僕が役員になって以降は加害者に対する損害賠償を徹底しているはずだが、将来に渡り保険料が割高になるデメリットはどうしてくれるのか?
管理会社に騙されるな!
マンション管理士
橋本勝矢