不動産の取引において買主は売主に売買代金を支払い、売主は買主に所有権移転に必要な書類を交付する。
これらは順序の後先がなく同時に行われなければならず、この「同時履行」を保証しているのが司法書士である。
買主は売買代金を全額支払うのであるから１００％確実に所有権移転登記がなされなければならない。
だから買主（または買主側の仲介業者）は信頼できる司法書士に登記を依頼するのである。
売主は売買代金さえ受領すればいいのであって、書類に不備があろうとなかろうと何の関係もない。
講学上の概念としては「登記引取請求権」なるものがあるが、まさに机上の空論である。
ではなぜ売主側が司法書士をねじ込んでくるようになったのか？
司法書士 橋本勝矢
