名門川重で起きたクーデター。
司法書士としては、新聞報道における法律用語の正確さに注目した。
日経新聞でさえ、長谷川社長「解任」と報じているが、正しくは「解職」である。
会社法では、取締役が株主総会で選ばれることを「選任」とし、代表取締役(社長等)が取締役会で選ばれることを「選定」とし、明確に区別している。
「選任」は不特定の者から選ぶことを指し、「選定」は既に選ばれた特定の者から更に役職者を選ぶことを指す。
「解任」は株主総会で取締役の地位を解くこと、「解職」は取締役会で代表取締役(社長等)の地位のみを解くことであるから、今回の川重のクーデターは「解職」なのである。
一般消費者からするとどうでも良いことであるが、プロは絶対に言い間違えてはいけない。
ちなみに、記者会見で村山新社長は「解職」と正確に表現していた。さすが!
川崎重工業が13日、長谷川聡社長と高尾光俊副社長、広畑昌彦常務の3人の幹部を解任した。3人は同日付で社長付の取締役となり、26日に開く株主総会後に退任する見通し。解任を決めた臨時取締役会の時間は35分間。常務から昇格した村山滋社長は記者会見で「長谷川氏らは取締役会を軽視した行動があり、そういう態度が許せなかった。苦渋の決断をした」と述べた。