代位の相続登記でも戸籍等が必要であるが、被相続人も相続人も韓国籍であり、判決正本でも職務上請求書用紙でも戸籍は取得できない。
では、そもそもどうやって相続人相手に債務名義を取ることができたか?
登記記録上の被相続人と建物を占有している相続人1名の住所・氏名等は競売時の資料で判明していた。
建物収去土地明渡請求訴訟を提起後、大阪地裁から在大阪韓国領事館に文書提出命令により戸籍を請求してもらったところ、「我々は日本の法律に従う義務はないので戸籍は出さない。ただし、把握している相続関係は開示する」と回答され、押印もないA4の紙1枚で相続人が7名いることが開示された。
その内4名は相続放棄していることが当方で立証できたので、残る3名が相続人であると裁判所が認定してくれた。
この時の裁判官や書記官は非常に協力的で「初めてのケースなので一緒に勉強しながらやりましょう」というスタンスで取り組んでくれたので、期間は相当かかったが、何とか相続人相手に債務名義を取ることができた。
話は戻るが、登記原因証明情報(相続証明書)はどうするのか?
裁判官が判決理由中で被相続人の死亡と相続人を認定している判決正本で十分だと判断した。
法務局の木っ端役人ごときが裁判官様の認定に文句など言えるはずがないだろう。
調べると以下のような民事局回答(※)もあるようなので、いつもどおり法務局には一切相談せずに申請した。
さてどうなるか?
※ 確定判決の理由中において甲の相続人は当該相続人らのみである旨の認定がされている場合は、相続人全員の証明書に代えて、当該判決正本の写しを相続を証する書面(登記原因証明情報)として取り扱って差し支えないものとされている(平成11年6月22日民三1259号民事局第三課長回答)