先般、当社第10期目にして初の税務調査が実施された。
何もやましいことはないので堂々と資料を開示し、質問に答えていたのだが・・・。
一点だけ、驚くべき指摘を受けた。
当社が競売で持分2分の1を取得し、残りの持分2分の1を共有物分割請求訴訟における和解により買い受けた際に支払った譲渡代金に対する源泉徴収についてである。
司法書士報酬にも役員報酬にも源泉徴収があるので一般的な知識はあるが、不動産を買い受けて譲渡代金を支払った際に源泉徴収が必要などとは聞いたことがない。
担当調査官によると、ポイントは本件取引の買主がオーストラリア在住者(非居住者)であったので、譲渡代金を支払った当社に10.21%の源泉徴収義務があったとの指摘だった。
つまり、税務署としては非居住者に課税するのが面倒なので支払者に源泉徴収義務を課しているということである。
いやいやいや。
クソみたいな不動産屋ではない僕でもこんなレアケースの税制まで知り尽くしているはずがない!
計算すると90万円以上の税額であり、このままでは本来売主が負担すべき税金を当社が代わりに支払わなければならないということになる。
クソみたいな不動産屋のようにセコい脱税がばれたのならともかく、理不尽にも程がある。
税務調査自体は1日で終わり、結局この1点のみを指摘するための調査だったようだ。
さすがに人の税金まで支払うほどお人好しではないので、売主に事情を説明して遡って源泉徴収させてもらえるようにお願いしたところ、売主は別の税務署に申告しているとのことだった。
さすがに二重払いは必要ないはずなので、その旨を税務署に報告したところ、税務署間で売主の申告・納税が確認できたようで一安心。
売主がきちんとした方だったので良かったが、非居住者には申告義務がないので、場合によっては当社が人の税金まで負担させられるハメになるところだった。
う~ん・・・日本の税制恐るべし。