三為スキームが不動産業界からねじ込まれた当時、法務省もクソみたいな不動産屋に悪用されることは当然予想しており、それを防ぐために登記原因証明情報はA・B・C三者が同一の書面に署名捺印する形式でひな形を示していた。
三為スキームはA・B・Cがお互いの存在や法的位置づけを明確に理解していることが大前提なので、登記原因証明情報は1枚の書面で作成してA・B・C三者が署名捺印することが必要条件だと僕は思っているし、司法書士業界も当然そのようにしていると思っていた。
しかし、今回の案件で添付されていた登記原因証明情報は驚くべき内容だった。
(1)A・B1・B2それぞれが「別々の書面」に署名捺印(記名押印)している。
(2)Cが署名捺印した登記原因証明情報は存在しない。
(3)「登記申請情報の要項」欄のB2・Cの記載がだけが「手書き」で追記されている。
S司法書士は、AにAとB1しか記載されていない登記原因証明情報を示して署名捺印させ、その後B2・Cの記載を手書きで書き加えた。依頼者である詐欺買い取らせ屋の意向に沿い、AにB2やCの存在を知られないために行った悪意ある「有印私文書変造」である。
N司法書士は、Cに三為スキームの説明を一切せずに委任状だけに署名捺印させた。詐欺買取屋B1の腰巾着司法書士であるNが詐欺三為スキームの全容をCに説明するはずがない。
司法書士であれば、詐欺三為スキームを受託することは一般消費者が不利益を受ける犯罪行為の共犯になることだと認識できるはずで、コイツらはそれを認識しながら積極的に幇助し犯罪行為の隠蔽に協力しているのである。
登記申請に関しても、受益の意思表示などが適正に行われておらず物権変動が生じていないにも関わらず、S司法書士とN司法書士は「仲良く書面による共同申請」に及んだのである。